外皮性能計算の前のワンステップ!結露判定プログラムを使ってみよう!
外皮計算・室温シミュレーター、光熱費シミュレーション、暖冷房能力設定などなど…今までEnergy ZOOの主要なプログラムについてコラムで紹介してきましたが、本日はお問い合わせを多くいただく「結露判定プログラム」について使用方法や活用方法をお伝えします。
■住宅の結露は2種類ある!
そもそも結露は暖かい空気中に含まれる水分が壁やガラス窓など、温度の低いものに触れることによって水滴となって表れる現象です。
冬、暖かくしたお部屋の窓ガラスに水滴がびっしり…というのは一般的によく目にする結露ですね。
放置すればカビの発生やダニ発生につながり、ハウスダストの原因となる住宅の嫌われ者。
我々がよく目にする結露は「表面結露」と言いますが、もう一つ、普段は見えない住宅の壁等の中で発生する「内部結露」というものがあります。
駆体内に侵入または駆体内で発生した湿気が留まることで部材を痛め、劣化などの原因に。
壁や屋根等の内部で発生しますので、気づかないうちに深刻な状況になることや、対策、修繕をするとなると仕上げ材をはがしたりなどの大掛かりな工事が必要になることも。
そういった事態に陥らないよう、Energy ZOOには、住宅を建てる前・性能を検討する早い段階で、この内部結露が発生するかどうか検証が行える「結露判定プログラム」があります。
結露判定プログラムはEnergy ZOOの中でも最も入力が簡単で、視覚的にわかりやすいものとなっています。
早速、画面をご覧いただきましょう。
・基本情報の入力
はじめは基本情報の入力画面です。
ここでの入力は、建設予定地の地域区分を選択のみ。
地域区分を選択すると、その地域の代表的な冬の気温・相対湿度が設定されています。
それぞれの値は調整できますので、室内・室外の設定温度や相対湿度を任意のものに変更し、検証することも可能です。
・部材の入力
矩計図などをもとに入力を行います。
上図は外壁の結露判定の入力を行っています。
実際の入力画面がこちらです。
①室内側から何番目の部材になるか選択
②材料をプルダウン選択
③厚みを入力
の手順入力完了です。
使用したい材料が登録されていない場合でもメーカーから熱伝導率・透湿抵抗の値が明示されていれば「手動設定」から入力可能です。
・結果画面表示
入力後すぐ計算が実行され、結露判定結果が表示されます。
表示されている図の青い線が実際の温度、赤い線が露点温度を示しており、こちらが交差するとその場所に結露が発生する可能性が出てきます。
入力した外気温、室温・相対湿度の設定でこの仕様の場合は「結露の可能性は極めて低い状況です」と表示されました。
もしここで結露の可能性があれば、下図のような表記が入ります。
この場合は仕様の再検討を行う必要が。
プログラムのマニュアルには結露の可能性が出た場合、どう対応すべきかのアドバイスも記載しています。
また結露の可能性が無くても寒波などでより寒い日を想定した設定、室温設定を高くしても結露しないかなど、状況を変えての検証も行うことが重要です。
どの計算結果でもご留意いただきたいのは、材料に含まれている水分量が多かったり、実際の施工状況によって100%結露が無いとは言えないため、「結露の可能性は極めて低い状況です」という文言で表記をしています。
ただEnergy ZOOの結露計算は安全側に計算を行っていますので、お施主様にご案内する際はきちんと計算を行っている旨を伝え、そのうえで結露が発生する可能性が低い仕様であることと、上記の留意点を合わせてお伝えすれば納得していただけることと思います。
今後省エネ基準適合義務化で改めて仕様の検討を行う場合もあると思います。
外皮計算を行って省エネ基準に適合した!と喜んだあと結露判定を行ったら結露のリスクがあってガックリ…再度仕様の検討を…なんて事にならないために、まずは結露判定プログラムで結露のリスクを判定し、外皮計算へと進んでいただく事をご利用の際はお勧めします。
※夏型結露判定を行う際の注意点※
夏型結露の場合、未乾燥の部材から日射で温まった水分が放出される事や、壁内部に雨水が侵入し、合板、構造材へ到達、そのあと日射による温度上昇で水蒸気がでるのが主因だと年々明らかになっています。
こういった要因による結露は判定できませんが、室内外の温湿度をもとにした夏型結露判定はできますので、調湿可変型シートの採用の目安等にお使いください。
———————————————————————————————————————————
結露の可能性を検証できるツール!
省エネシミュレーションソフト Energy ZOO:結露判定プログラム
導入前のお客様は是非「オンライン機能説明」にてご相談ください!
最新の記事