取得日射熱補正係数（fC・fH）の計算方法
以前の記事からご紹介している2021年4月の外皮性能計算の変更点ですが、
今回はNo.5の「取得日射熱補正係数の計算方法変更」について解説します。
まずは開口部の日射熱取得量の計算方法を説明します。
開口部の日射熱取得量の計算は、以下の計算式で求められます（窓単位で計算します）。
方位係数νとは、地域区分・方位（８方位）・暖房期/冷房期で決められている係数となります。
暖房期の方位係数
冷房期の方位係数
開口部の垂直面日射熱取得率η（付属部材がある場合は付属部材を含めた値となります）は、一般社団法人日本サッシ協会が提供する『「建具とガラスの組み合わせ」による開口部の熱貫流率表（住宅用窓の簡易的評価による）』の値を使うことができます。
一般社団法人日本サッシ協会 技術情報
もしくは、各窓メーカーが提供する「自己適合宣言書」の値を使うこともできます。こちらは『「建具とガラスの組み合わせ」による開口部の熱貫流率表（住宅用窓の簡易的評価による）』よりも性能値が良くなります。詳しくはこちらのコラムをご参照ください。
『自己適合宣言書』での窓の計算（LIXIL製品の場合）
『自己適合宣言書』での窓の計算（YKKAP製品の場合）と自己適合宣言書を使った場合/使わなかった場合の比較
開口部の取得日射熱補正係数fC・fHが、今回解説する値となります。値としては、庇（サイドフィンや窓にかかる軒も含みます）の効果を表現する係数となります。
開口部の取得日射熱補正係数fC・fHの値の計算について、省エネ基準の技術情報ではこれまで、１）定数法・２）簡易法・３）詳細法の計算方法が利用可能でした。（Energy ZOOでは従来から３の詳細法を採用していました。）
今回の改訂では、
イ） 地域の区分、方位及び日よけの形状によらず定められた値を用いる方法
（定数法、 fC＝0.93、fH＝0.51）
ロ） 地域の区分、方位及び開口部の上方の日よけ（オーバーハング）の形状に応じて
簡易的に算出する方法（簡易法）
ハ） 地域の区分、方位及び日よけの形状に応じて算出した日よけ効果係数と
ガラスの仕様に応じた斜入射特性を用いる方法
（Energy ZOOでは「新詳細法」と表示しています）
この３種類の計算方法を選択して用いることができるようになりました。
次回はこの３種類の計算方法の違いについて詳しく説明していきます！
Energy ZOOでは難しいことを考えなくても、選択肢から、「庇の有無」「計算方法」を選択するだけで、必要な値の入力が表示されるようになっています。
手間もかからず、正確な補正係数で計算した窓の性能を求めることができます！
入力方法についてもう少し詳しく知りたいユーザー様は基本研修の入力ワークショップを、導入前のお客様はオンライン説明にてご相談ください。
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