取得日射熱補正係数（fC・fH）の計算方法（イ：定数法）
開口部の取得日射熱補正係数fC・fHの値の計算について、イ）定数法での計算方法を説明します。
開口部の取得日射熱補正係数fC・fHは庇の効果を表現する係数で、次の３種類の算出方法が認められています。
イ） 地域の区分、方位及び日よけの形状によらず定められた値を用いる方法
（定数法）
ロ） 地域の区分、方位及び開口部の上方の日よけ（オーバーハング）の形状に応じて
簡易的に算出する方法（簡易法）
ハ） 地域の区分、方位及び日よけの形状に応じて算出した
日よけ効果係数とガラスの仕様に応じた斜入射特性を用いる方法
（Energy ZOOでは、『新詳細法』と表示しています）
今回はこの中の『イ）定数法』の計算について解説いたします。
イ）定数法による開口部の取得日射熱補正係数fC・fHの数値は、どの方位の開口部（天窓も含む、ドア除く）でも使え、暖房期・冷房期の違いもないため気軽に利用することができます。
その反面、値としてはかなり安全側に振っており、良い性能値ではありません。
庇の形状（出寸法、オーバーハングやサイドフィン、深い軒など）も反映はされず、一定の値の係数となります。
開口部の取得日射熱補正係数fC・fHの定数法の値は以下となります。
冷房期の開口部取得日射熱補正係数fC＝0.93
暖房期の開口部取得日射熱補正係数fH＝0.51
こちらの係数を使って、
次の窓の日射熱取得量を実際に求めてみたいと思います。
窓の方位：南
地域区分：６地域
面積：5.632㎡（2,560㎜×2,200㎜）
日射熱取得率（垂直面日射熱取得率）：0.37(W/㎡)/(W/㎡)
方位係数：６地域、南
→冷房期 0.434 暖房期 0.936
この場合、窓の日射熱取得量は、
・冷房期の日射熱取得量
＝面積5.632㎡×fC 0.93×日射熱取得率0.37×方位係数0.434
＝0.8410795008
・暖房期の日射熱取得量
＝面積5.632㎡×fH 0.51×日射熱取得率0.37×方位係数0.936
＝0.9947418624
となります。
複雑な計算を必要とせず日射熱取得量を算出できるのは便利ですが、これはかなり安全側に振った値となっているため、性能値としてはあまり良いものではありません。
実際の庇や軒の形状を日射熱取得量に反映させたい場合は、簡易法や新詳細法の計算が必要になります。
Energy ZOOでは、庇の計算法がワンボタンで選べるだけでなく、必要な値を入力するだけで自動で計算を実行してくれます。
さらに、付属部材の効果を日射熱取得率にも反映できるため、よりリアルな条件下での計算ができるようになっています。
入力方法についてもう少し詳しく知りたいユーザー様は基本研修の入力ワークショップを、導入前のお客様はオンライン説明にてご相談ください。
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